電気工事士2種試験の学科→技能→合格までの記録

2023年8月、電気工事士2種技能試験に無事、合格出来ました。ここに、電気工事士2種の資格の学科試験→技能試験→合格までの、自身の勉強法、振り返りを残したいと思います。

1:電気工事士とは?

 ビル、工場、商店、一般住宅などの電気設備の安全を守るために工事の内容によって、一定の資格のある人でなければ、電気工事を行ってはならないことが、法令で決められています。その資格のある人を電気工事士といいます。このうち、電気工事士2種は、一般住宅や店舗などの600ボルト以下で受電する設備の工事に従事できます。
引用:電気技術者試験センターより https://www.shiken.or.jp/construction.html

 

2:試験方式は?

電気工事士の資格を得るには2つの試験をクリアする必要があります。

1:学科試験

一斉受験方式、CBTの2つがあります。私は、スケジュールの都合上、CBTでは受けれませんでしたが、CBTであれば、受験できる場所を比較的、自由に選べるので、おすすめです。

2:技能試験

毎年、電気技術者試験センターより、候補問題が公開されます。その中から1つが試験日に展開され、試験日に会場で実施するものとなります。そのため、工具、候補問題のための材料を揃え、13個の候補問題のいずれが出ても大丈夫なように、備える必要があります。また、欠陥が1つでもあると、不合格の省き門です。1発合格を目指したいものですね。

詳細は、電気技術者試験センターの資格取得フローをご参照ください。

https://www.shiken.or.jp/flow/construction02.html

 

3:学科試験は何を使ってどれ位勉強した?

まず、私は、下記の3冊を使って、学科試験の勉強を行いました。

最初は、テキストをみたのですが、何が何やらいまいち、掴めませんでした。なので、漫画版で、基礎の基礎、流れや仕組みを理解して、テキストに望むことで、理解を深めることが出来ました。

資格勉強に共通することですが、インプット(読込)に時間をかけすぎてはいけません。期間を決めて、一気に読み込んでください。何回も読み返すつもりで最初はざっと読み切ることをお勧めします。

インプットが完了したら、問題演習あるのみです。部品、計算、図の問題、いずれも繰り返し繰り返し、実施します。問題はテキストだけでなく、過去問もぜひ、実施することを推奨します。いろいろなパターンを知っておくことが大事です。

私の学科試験までの勉強スケジュールはザックリと下記になります。

目標:1か月半で学科試験に備える

  • 1-2週目:漫画、テキストの読み込み。とにかく読み切ることを優先。
  • 3-4週目:基礎問題に取り組む。配線、複線図を除く
  • 5週目:配線、複線図問題に取り組む。とにかく繰り返し
  • 学科試験までの残り:過去問を繰り返し解く。

テキスト関連:3周。問題、過去問は3周を私はしました。これで試験に望みました。

 

ここからは学科試験勉強中に役立ったコンテンツの共有です。

第2種電気工事士ドットコム

https://denkou2-siken.com/

電気工事士試験の過去問を取り扱っているサイトです。Web上から、過去問を実施することができ、出先で本が開けない等の際は、大変お世話になったサイトです。無料です。配線図、複線図はコンテンツ上、少しわかりづらいところもありますが、問題に集中できるので学科試験前にはおススメです。

 

ホーザン株式会社さんのアプリ、コンテンツ達

学科試験の勉強中、Youtubeでいいのがないかなと調べたら、ホーザン株式会社さんが、電気工事士に関する動画を学科、技能とまとめてくださっています。ホーザン株式会社さんは電気工事士の工具を扱っている会社でもあり、大変わかりやすいコンテンツを作ってくれています。初学者には特におすすめ。アプリの内容も充実しており、無料でいいのですかと思う位です。試験まではお世話になったのでぜひ、これから勉強する人は活用をお勧めします。

ホーザン株式会社:電工試験の虎サイトURL

https://www.hozan.co.jp/corp/pc/020/

Youtubeの動作URL

https://www.youtube.com/@HOZANdenko

 

4:学科試験はどうだった?

私は、CBT試験ではなかったので、試験場に向かっての試験を受験しました。

幸い、場所は近いところだったのでよかったですが、電気工事士試験、受験者数はやはり多い。老若男女問わず、受験されていることが改めて感じました。電気工事のお仕事は常にあり、DYI、不動産投資をされている方なども延長線で受験する方も多いと知り、国家資格の中でも王道なのではと感じます。

試験は至って普通のマークシート方式ですが、学科試験で壁となるのは、2つです。

ケアレスミス:過去問に慣れたが故に、質問内容と回答番号が変わっていることに気づかずに得点を落とす。これは一番やってはいけないミスです。過去問の焼き直しと思っても、しっかり問題文は最後まで読んで、適切な回答を選びましょう。

配線図・複線図:読み解くのに時間がかかってしまう問題かつ、得点も大きい問題。該当器具の見落とし、線の位置と数、リングスリーブのマークはどれか?基礎知識を総動員して対処する必要があるので、試験前には一番見直しておいてほしい部分だと個人的に思いました。

 

 

5:合格発表

無事合格でした。電気工事士試験は、合格発表の際は、下記URLから受験番号を入力することで合否を先行確認出来ます。はがきは到着まで時間がかかるので、先行確認出来るのはありがたいですね。

https://moshikomi-shiken.jp/ecee/search/public/pbt_result/

 

6:技能試験にむけて工具と材料を揃える

無事、学科試験に合格したら、次は技能試験に向けて勉強開始です。候補問題用の素材、工具のまとめ買いを考えるとかなりの予算が必要です。電気工事士の受験を決めたら、工具や候補問題を揃えるための予算確保が必須です。また、工具と材料は、技能試験が近づくほど、値段が上がります。購入に関しては、出来れば、学科試験後に、確実に合格した自信があるなら、その時点での購入をお勧めします。今年は物価高もあり、試験前に値段をみたところ、2000~5000円アップは当たり前の世界でした。

私が購入したのは下記3つになります。

1:2023年版 第二種電気工事士試験 完全攻略 技能試験編

2:WEB-DK0001:DK-28+DK-51 電工試験工具・部材1回セット

https://www.hozan.co.jp/corp/g/g35311/

※その年ごとに候補問題は変わるので値段と材料は変動します。

3:Z-222 合格配線チェッカー

https://www.hozan.co.jp/corp/g/g9222/

 

候補問題の部材に関しては、いきなり、2回、3回のものは、買わず、1回のみのセットがおすすめです。実際に練習してみて感じたのは、1回であっても工夫次第で、かなり部材を余らせることが出来ます。2回、3回を使いきれる人は、そうはいないのではと思います。

 

7:技能試験はどうやって勉強した?

試行錯誤して、勉強をしましたが、試験が終わってから振り返ると下記流れで実施するのが、お勧めだと思いました。

1:テキストをざっと読む(3日)※流し読みで大丈夫です。

技能試験がどんな試験かをざっと把握します。技能試験におけるテキストは正直、施工寸法、リングスリーブ、施工時の注意点のみで、あまり使わなかったです。いらないかも。

2:HOZANさんのYoutube動画を見ながら、単位作業の流れを確認します。

いきなり候補問題には絶対に取り掛からないでください。必ず、寸法、部品ごとの施工方法、どの線にどの線と躓いて、時間を無駄に浪費します。まずは、各部品ごとにどうやって施工、結線するのかをホーザンさん、他動画でもいいので確認しましょう。頭の中でこうやって接続すればいい、注意すればいいを頭にまずはいれましょう。

https://www.youtube.com/@HOZANdenko/playlists

 

3:施工寸法、心線の長さ、リングスリーブサイズを覚える

候補問題に記載の寸法は、部品ごとの寸法は含まれていません。各部品に必要な寸法を追加した長さがいくつなのか?を把握する必要があります。そして、リングスリーブの〇、小、中のいくつ、何本ならマークがつくのか復習してください。この勉強をすることで、試験だけでなく、部材の無駄を減らすことが可能になります。

3:候補問題の複線図を書けるようにする

実作業に入る最終段階です。各候補問題の複線図を速やかにかけるようにしましょう。どの色がどこに?長さはどれくらいか?施工条件を満たしているか?1つの候補問題に対して5分で複線図をかけるようになるまで練習しましょう。この複線図は、実作業に入った際の大事な図面になります。迷いを減らすためにも、ここは徹底しましょう。実際の技能試験でも圧着する線のミス、結線ミス防止も出来ます。慣れれば出来るのでぜひ繰り返して書きましょう。

4:単位作業を実際に施工してみる

ようやく実際に作業に入ります。ここでは、部品への結線含めた候補問題の寸法に線を切断、心線を剥く。部品ごとの施工を実際に行ってください。初めて触る工具、ポイントは動画で見た内容を実践あるのみです。注意点は、あくまで部分ごとにげんていすることです。ランプレセクタクルならランプレセクタクル。スイッチならスイッチ(渡り線含む)など。各候補問題をさらに単位作業に分割するようなイメージです。なぜ分割するかというと、ここで誤った覚え方、癖がつくと後で治せない、気づけない可能性を防ぐためです。施工は最終的には複数ある単位作業を組み合わせたものになります。特に欠陥となるやり方を覚えないためにも1つ1つの単位作業を大切に覚えていきましょう。また、忘れがちですが、コネクタやつなげた部品を解体するのも部品を無駄にしないためにも有効なので、試験に直接関係ないですが、この機会に覚えてしまいましょう。

5:候補問題を40分以内に完了できるか計測実施

4で候補問題に関連する単位作業を実施できたら、本番さながら、実際に通しでやってみましょう。複線図を書くところから圧着等まで実施してみましょう。

ここでは時間内に終わらせることを目標にしてください。どれだけ欠陥がなくても時間内に出来なければ不合格です。多少荒くても、時間内に終わりきることが大事です。品質はその次です。

計測完了し、完成したら、ここで、私は配線チェッカーをつかいました。自分の作ったものがちゃんと期待値通りに動くかどうか試します。実際にやってみて思うのは、期待値通りに電気がつく、消える。この当たり前の動作を自分が作ったと実感するのは達成感と喜びが増します。おもしろさに気づきます。また結線ミスがあれば、どこに原因があるのか気づけるので、合格配線チェッカーは必ず、用意することを個人的に、お勧めします。

6:苦手な部分の施工を単位作業に分割して実施

計測が1通り完了すると、部品もかなり少なくなっているかと思います。1からやるのは時間も予算も厳しい方は、既に使った線がたくさんあると思います。これらの線を再利用して、部品ごとの結線、圧着等の練習に再利用しましょう。部品の寸法含めた長さを理解していれば、線のあるなしは大きな問題ではありません。部品ごとの施工スピード、品質をあげるためにどんどん再利用して試験に備えましょう。

7:欠陥事例、施工寸法を空いてる時間で再確認

ここまでで、一通りの技能試験までの知識、技能が付けられたことと思います。最後の一押しとして、改めて欠陥事例はどんなものがあるか?部品ごとの施工寸法、ケーブルの種類、リングスリーブのマーク、施工条件の読み解きを実施しましょう。

この1~7を私は、学科試験の合格後、土日祝をつかって勉強しました。平日は、仕事のため、複線図を書く、施工寸法等を覚えるなどの机上で出来ることに重きを置き、土日は実作業といったような形で勉強を進めました。

 

8:技能試験はどうだった?

私は東京都での受験であるため、流通センターの第一展示場という場所での実施でした。東京モノレールというのに初めて乗りましたが、羽田空港にいけることもあり、人、多かったです。

第一展示場という場所は、大きな会場で、数百人は会場にいたと思います。時間に余裕をもって入場したため、慌てることはありませんでした。技能試験を行う各自の作業スペースは決して広いとは言えないので、隣の人に迷惑とならないよう受験しました。作業中、指を切ってしまい、痛みはないものの流血しながら実施したので私の作品は戦いの血がついた作品となってしまいました。試験官殿、申し訳ありませぬ。※もちろん、作品は綺麗にちゃんと拭きました。

試験自体は40分であっという間に終わりました。終わった後は集中力が切れたのか、ドット疲れが出たのを覚えています。これをご覧の方も、試験終了後はどうかその日はゆっくり休んでください。

試験会場の注意点として下記2つを共有します。

・トイレは大行列になります。なるべく早く行き、試験までのがぶ飲みは避けましょう。

・受験した人が一斉に帰宅するので、帰りの電車は大混雑。バス、タクシー等の帰宅手段を事前に調べておくことをお勧めします。

 

9:合格発表

無事、合格。自分なりには欠陥はなく、唯一気になったのは、ランプレセクタクルにおいて、W側に接地となる白線をつないだものの、一般的には右に白線とするところを左に接地がくるようにしてしまい、不合格とならないかの心配だけでした。

https://moshikomi-shiken.jp/ecee/search/public/pbt_result/

電気工事士試験の改善してほしい点は、どこが間違ったかを知ることが出来ない点。これは、落ちてしまった人からすると原因がわからないので、つらいものがあると感じます。

 

10:終わりに

電気工事士2種の勉強は、自身のキャリア、知識と技能だけでなく、電気というものの基本的な仕組みを知ることが出来たので、受験してよかったなと思います。自分でも仕組み、作り方が理解できたので、何か電気工作品を作ってみたいなと思っています。実技を伴う試験というのは初めてでしたが、合格出来てよかった。